どうも。こちらでは初めまして「矢ノ倉啓登」と申します。
徐々にここでも記事を載せていこうと思います。
タイトルにもありますが「むつ松木屋」について、振り返ってみようという記事になります。
~ そもそも「むつ松木屋」とはなんだ? ~
むつ松木屋はかつて青森県むつ市にあった百貨店になります。
元は青森市に本店があった「松木屋百貨店」の傍系店舗として、青森市に1967年2月「松栄ストア」を資本金500万円で設立。その後、1968年1月に本店をむつ市に移転させ「松木屋ストア」に改称する。同時にむつ松木屋が開業。さらに同年10月には「むつ松木屋」に改称する。
1970年に堤清二氏が率いる「セゾングループ」と業務提携し、株式比率が「松木屋(青森県青森市)45%」、「西武百貨店(東京都豊島区、現在のそごう・西武)30%」という構成になる。以降、セゾン文化の一員として躍進していくことになる。
そうして青森県民の拠り所であった松木屋は、郊外へのショッピングセンター進出や公共施設の郊外化により本店周辺の歩行者通行量が減少。その煽りもあってか店舗の集客力も急減し、同時に売上も激減した。
この事態を受け、松木屋は1999年8月31日に系列の「十和田松木屋」を閉鎖し、2000年にむつ松木屋の株式を同社に移管と独立を図ったものの財務状況は一向に改善しなかった。
その後、松木屋本体も2003年4月23日に閉鎖とし、5月9日「自己破産(負債48億円)」を経て、5月12日青森地裁から「破産宣告」を受けた。
松木屋本店閉店後の土地建物の不動産は売却され、現在は「ポレスター・新町レジデンス」という商業施設とマンションになっている。
~ 独立後の「むつ松木屋」 ~


むつ松木屋自体は2000年の株式譲渡で既に本体から資本関係が切り離されており、破産の影響は出なかったが、法人登記簿(2023年1月18日取得)によると「2005年5月12日設立」となっており、辻褄が合わない。
恐らくだが、2003年の松木屋本体の破産に絡んで、むつ松木屋側にも多少の負債や債権などが残っており、第二会社方式で営業権などを現法人に譲渡し、旧法人はそれらの処理が完了後清算したとみられる。
さらに登記簿によると、2011年2月20日「シティ松木屋(本店移転:3月14日)」に商号変更、翌年の2012年11月1日「むつ松木屋(本店移転:11月1日)」に商号変更という流れになっている。
~ 弘前の「さとちょう」が支援と業務提携 ~
2012年11月1日、むつ松木屋グループは、青森県弘前市に本店と本社を置く「佐藤長(当時:代表取締役佐藤浩三)」が支援と併せて業務提携をすることになった。

むつ松木屋の食品売り場は「総鮮物産(1982年2月8日設立)」が担当していたため、さとちょうになっても運営会社は変わらず一貫して同社の経営であった。
さとちょうグループ入りした後は、むつ松木屋に当時佐藤長専務取締役営業本部長であった「佐藤譲氏」、総鮮物産に当時佐藤長取締役副社長であった「齋藤春仁氏」がそれぞれ2012年11月1日付で代表取締役に就任している。つまり、業務提携時に両社の役員は佐藤長出身者に総交代されている。
そのことから、公式では2016年11月3日に「さとちょうむつ松木屋店」が開店したことになっているが、私個人的には2012年11月1日開店としている。

その後、正式に2016年11月3日「さとちょうむつ松木屋店」がリニューアルオープンした。ドアや窓周りに「生鮮活祭さとちょうむつ松木屋店」という帯ステッカーが貼りつけられた。
~ さとちょう松木屋、改修へ ~
さとちょうとして再スタートを切った松木屋、早くも3年目の2018年12月27日に事件が発生します。それは「建物内消防設備消防法不適合」という簡単に言えば消防法違反です。当局は2019年5月31日までに改善するよう命令を発しました。
ですが、以前よりむつ消防署から是正勧告が出ていたところ、当時の資材の高騰と品不足が重なり、期限内に是正ができず、やむなく休業せざるを得なかったとのことで2020年12月31日を以って休業とすることにしました。
むつ松木屋の改修工事は、都市再生推進法人「むつまちづくり(前の田名部まちづくり)」が主導して行うことになった。
大きく分けて
【1】既存建造物活用事業:商業施設1階(地域交流センター)〔3,000万円〕
【2】商業施設改修事業(基盤整備):商業施設1階〔2,000万円〕
【3】商業施設改修事業(店舗整備):商業施設1階〔4,000万円〕
※〔〕内は事業費
という構成になり、総事業費は「9,000万円」であった。
さらに噛み砕くと
【1】1階全体を使用していたSM売場面積(342坪)を156坪に縮小する。
【2】空いたスペースを交流・滞在スペースとする。
【3】外壁を全面ガラス張りにし、可視化を図る。
【4】1階のみ使用し、既存の消防設備での法適合を図る。
【5】1階部分を「むつ松木屋」から弊社が借り、改装工事を施し、SM店舗部分をさとちょうに弊社が貸す。
という事業スキームで進める。
つまり…
〔所有者〕むつ松木屋(賃貸人:さとちょうグループ)
↓
〔借主者〕むつまちづくり〔転貸人:都市再生推進法人〕
↓
〔 孫 〕さとちょう松木屋店〔転借人:株式会社佐藤長〕
という複雑な不動産関係になる。
そして、
【1月】むつ市都市計画課とむつまちづくりが連携を取り、【令和3年度まちなかウォーカブル推進事業補助対象事業】として取り扱われることになる。
【2月】3月末の補助事業採択内定後、4月に入り次第事業着手ができるよう、本格的な計画作成と準備に取り掛かる。
という流れで松木屋改修事業が進んでいく。
本事業計画実行に伴い、賃貸借条件など諸条件で特に揉めることもなく、円滑に進んだとのこと。
さらに、設計に関してもSM店舗設計を多く手掛けている設計会社に依頼したことから、5月には実施計画が完了したとのこと。
当初は2021年盆前の開店を目論んでいたが、冷蔵・冷凍機器がコロナ禍により品薄で発注後半年待ちになっていた。そのため、最終的には10月22日に新装開店をすることになった。
~ 新生「さとちょうむつ松木屋店」開店! ~
2021年10月22日、青森県むつ市田名部に待望のスーパーマーケットが開店する。朝9時の開店にて、待ちわびた周辺住民で長蛇の列をなし大盛況だ。
今回のリニューアルオープンで、松木屋店ほか、レストラン「Epic(エピック/本店:青森県弘前市/さとちょうグループ)」も同時オープンしました。これにより地域の方々の集う場所が増え、結果的に活性化が期待できます。
なお、こちらのリニューアルは国土交通省【まちなか公共空間等活用支援事業】の第1号案件で【むつ松木屋商業施設ウォーカブル改修事業】になります。
そんなグランドオープンでしばらく安泰なのかなと思った矢先、悲劇に見舞われます。
p.s.
今回のリニューアルオープンで、さとちょうの運営会社が総鮮物産から本体の「株式会社佐藤長」に移管しました。
~ 当時社長、突然の退任 ~
当時、佐藤長の代表取締役社長齋藤春仁氏(2021年7月15日就任)が、2022年11月4日の取締役会を以って退任するという事態になった。
その後、同年11月15日に無許可で労働者を受け入れていたため、前社長が職業安定法違反で青森県警に逮捕され、地元マスコミに齋藤氏が反社会的勢力との関係が取沙汰されたことにより、取引先や金融機関などから信用が一気に失墜した。そのことにより資金繰りの悪化につながった。さらに2022年1月より操業した「青森食研(設立:2020年4月1日/本店:青森県黒石市/代表者:代表取締役齋藤春仁)」の弁当・惣菜製造事業の不振も業績悪化に拍車をかけた。
そのような中、金融機関から融資を受けられなくなったばかりか、前社長は関連会社の取締役なども含めて辞任および解任することになった。
~ 創業家による信頼回復 ~
その後、創業家の佐藤譲氏が新社長に就任し、コンプライアンスの徹底による再発防止、取引先に対する説明をした。
2023年5月に第三者委員会の結果が公表され、反社会的勢力との関係はないとした。
それもつかの間、金融機関などからは「認められないでは不十分。完全に白と証明してもらわないと困る。」という厳しい指摘があった。
~ 佐藤長、事実上の倒産、閉店 そしてトライアルに譲渡 ~
そのようなこともあり、佐藤長は関連会社の青森食研と併せて民事再生法の申請を2023年6月26日付で青森地裁弘前支部に適用を申請した。
※備考
(株)佐藤長 :63億4,786万円
(株)青森食研: 6億2,300万円
として、両社合計で「69億7,086万円」となる。
地方地場スーパーではかつてないほどの負債額だ。
同年7月11日付で民事再生法の手続きが開始決定となり、事業再建に取り組んでいくとした。
同年9月19日付でトライアルホールディングス傘下のトライアルカンパニー、青森トライアルとの間で、裁判所の許可を条件として、事業を譲渡する事業譲渡契約を締結した。
同年10月16日付、事業譲渡契約に関する事項で裁判所から許可が下りた。
同年10月20日付、佐藤長グループは全ての店舗運営から退くことになり、全店閉店した。
※備考
(株)佐藤長の事業は(株)青森トライアル(本店:福岡県福岡市東区/代表者:代表取締役柏村昌弘)へ
(株)青森食研の事業は(株)トライアルカンパニー(本店:福岡県福岡市東区/代表者:代表取締役亀田晃一)へ
それぞれ事業を譲渡する流れになっています。
~ さとちょう、トライアルへ ~
さとちょうの一部店舗は青森トライアルに2023年10月23日付で事業譲渡され、順次新生トライアルとして開店していくことになる。
中にはトライアルに譲渡されなかった店舗もある。それはむつ松木屋店を含む8店舗である。
※引き継がれなかった店舗
松森町店、小比内店、樹木店(エスエス商事)、寿町店(エスエス商事)、むつ中央店、松木屋店、平賀駅前店、大鰐店
~ むつ松木屋も破産へ ~
青森県むつ市において不動産業を経営していた「株式会社むつ松木屋」は、2026年3月18日付で青森地裁にて破産手続きの開始決定を受けた。
これは佐藤長グループの連鎖倒産の煽りを受けたものとみられる。
なお、負債額は不明だ。
~ 雑記 ~
ちなみに松木屋と西武は資本業務関係にあったことから、1987年に「無印良品松木屋弘前ショップ」という共同店舗を開業した。後に2000年に閉店する。
その後、20年越しに「イトーヨーカドー弘前店(現在のシーナシーナ弘前)」に無印良品が出店する際、「弘前初出店」として一部紙面や情報サイトなどでは取り扱われていたが、厳密にいえば、それは間違いということになる。
~ 終わりに ~
皆様いかがでしたでしょうか。
初めての記事になり、読み辛い箇所もあったと思います。
この記事は私の過去の記憶や、パソコン内のメモ書きを参考にして執筆しています。
一部箇所にて間違いなどがある可能性があります。その際は、私のⅩまで情報提供くだされば幸いです。
そして、私は現在「そごう・西武」「ヨドバシグループ」「トライアルグループ」を取り扱っていますが、すべての趣味の原点は「スーパーさとちょう」から始まります。
この「佐藤長」が無ければ商業施設を趣味として取り扱うことはなかっただろうと、自負しております。
というわけで今回はここまでとします。
また、よろしくお願いします。
[情報]
2026年04月23日:初版投稿

