なぜ閉店する(した)のか?
ここまで見ると、まあ百貨店にしてはとがった売場ではありながらも、若者をターゲットに魅力的な売場づくりを行っていたのではないかということは感じていただけたと思います。
では、そんなキキヨコチョはなぜ閉店してしまうのでしょうか。
いずれの店舗も、詳細はあまり言及されておりませんので、あくまでも推測になります。
① 店舗改装のため
名古屋店に関しては、南館B2F、1Fの一部、2~5F、6Fの一部が、大丸松坂屋と同じ、Jフロントリテイリング系列のファッションビル・PARCOの運営に切り替わるため、現在該当フロア (1Fを除く) では改装が行われています。
この改装のために、B2Fにあった婦人雑貨売り場が大幅縮小し (本館に移転)、4~6Fの3フロアに出店していたヨドバシカメラは撤退し別施設に移転するなど、かなり大きな動きがみられました。

しかも、パルコもターゲットは若年層ですから、完全にキキヨコチョと被ってしまいます。なので、名古屋店に関しては、一部の売り場運営がパルコに変わるのであれば、残す必要性はあまりないと考えられたのではないかと思います。
また、大丸札幌店に関しては、明確な閉店理由は現時点では発表されていませんが、日経新聞によると、大丸札幌店は2028年度までに大型改装を行う方針を明らかにしており、さらにその改装の焦点となっているのが、「海外高級ブランド」…この記事を読んでくださる方々には改めて言わなくてもお分かりかと思いますが、主にインバウンド客向けの店舗づくりが進んでいくということで間違いないでしょう。
ハイブランドを目当てに来ることが多いインバウンド客向けとなれば、ファッションを扱う編集型売場をあえて残す理由はないのかもしれません。(このサイトでたびたび話題に上がる西武池袋本店はそのような考えが顕著に表れているととることができます)
② 百貨店への「入りづらさ」
いくら百貨店に若い世代向けのブランドが扱われていても、その若い世代が、百貨店に対して入りづらさを感じてしまっていたら、そこを利用する人は当然少なくなります。
大丸札幌店もここ数年低層階でのハイブランドの出店が進んでいます。松坂屋名古屋店に関しては、2024年の本館改装によって高級路線がさらに強化され、逆に入りづらさを感じた人も増えてしまったと思われます。 そうなると、札幌であれば大丸札幌店と接続している駅ビル「札幌ステラプレイス」に行く方が、名古屋であれば松坂屋南館と隣接している「名古屋パルコ」に行く方が、変に気を張らずにショッピングを楽しめるでしょう。
高級感が強調された百貨店のイメージ的に、若年層向けゾーンを作ったところで、あまり意味をなしていないのかもしれません。
時代はインバウンド?若い世代向け売場はもうダメ?
国内の主力店舗のほとんどは、若い世代向けの売場づくりよりも、インバウンド向けの店舗づくりを推し進めている傾向にあります。
一時は若年層をターゲットにした改装もかなり多くありましたが、そういった改装のそもそもの理由は、かつて百貨店がメインターゲットとしていたであろう中高年層だけでなく、より長い期間利用してもらえる若年層を取り込むためだと思います。
ですが、そういった店舗は、現在では大半がそういった姿勢をとるのをやめているように感じます。
今のインバウンド向けの改革が一概にダメとも言えませんが、言葉を選ばずに言うならば、既存客や国内の客を捨ててまで、海外の客頼みの売場づくりを進めてしまうのはかなりリスキーだと思います。(このことについてもまたいつかお話ししたいですね)
あまりこれについて深く話しすぎると本題からそれてしまうので今回はこれ以上はお話ししませんが、このような傾向が今後も続くとなると、日本の百貨店のその先が心配でなりません。
さいごに
私見を多く含みましたが、今回のKiKiYOCOCHOの消滅に際し、KiKiYOCOCHOの特徴や閉店の理由、そして日本の百貨店について思うことにまで話を広げてみました。
今回のことは本当に衝撃でしたし、百貨店の未来が明るいことをただただ祈るばかりです。
※お詫び
予告におきまして、「キキヨコチョ」の英語表記にスペルの誤りがございましたので、
以下のように修正いたします。
誤) KiKiYOKOCHO → 正) KiKiYOCOCHO
大変失礼いたしました。
出典
https://d-b-s.co.jp/design/kikiyokocho/
https://d-b-s.co.jp/stories/daimaru/
https://www.walkerplus.com/article/163402/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000443.000025003.html
https://jouhou.nagoya/kikiyococho-repo/
https://jouhou.nagoya/yodobashi-sakae/
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC085CH0Y5A500C2000000/

大変興味深い記事で、公開を楽しみにしています。 大丸松坂屋は、ここ最近作った編集型売場が長続きしない傾向があり(シジェーム ギンザ.リブ トーキョー等)また終了するのか…と思いました。