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【散歩】西武のある街を、今日はちょっと歩いてみる。

散歩

プロローグ

3月。

気がつけば、ぽっかりと時間が空いていた。
このまま家にいてもよかったけれど、せっかくならどこかへ出かけようかなと思った。 ふと頭に浮かんだのは、西武百貨店だった。

理由は特にない。
特別な買い物をする予定があるわけでもないし、イベントがあるわけでもない。

いつもみている西武は、西武池袋本店。
でも、家の近くにはもっと他の「西武」だってある。
ただ、「西武がある街って、どんな雰囲気なんだろう」と、なんとなく気になった。

ちょうどいい気分転換になりそうだし、行ってみよう。
そんな軽い気持ちで、家を出た。

ルール

日本地図

今回の旅では

  1. 店舗の写真を撮る
  2. 店舗で何かを買ってレシートを手にいれる

を目標にしましょう。

これをその日の終わりに、散歩MAPに貼り付けて、どこの西武に行ったことがあるのかをまとめることにします。

名実ともに「旗艦店・本店」の池袋本店

西武池袋本店@ヨドバシHD池袋ビル

午前10:00。西武各店の開店時間に合わせて旅をスタートします。今回の出発地点は池袋本店にします。

池袋本店は、1935年に開業した「菊屋デパート」がルーツです。長らく、都内最大級の売り場面積を誇っており、ファッション・コスメ・グルメ・書籍・アートなど様々なジャンルが揃っていました。また1970年代後半から1980年代に一世を風靡した「セゾン文化」の本拠地でもあり、12階に設けられた「西武美術館(のちのセゾン美術館)」などは、文化と百貨店の新たな関係性を提案する場として注目を集めました。2023年夏にそごう・西武の親会社が変わり、売り場面積が半減するものの「新たな百貨店」を目指し改装工事中です。

ミッションの写真撮影は、道を挟んで目白通り南側(ジュンク堂側)からパシャリ。

ちょうど、本館1階にあった化粧品売り場が、別館・書籍館の特設会場に移転したタイミングだったため、本店で営業している売り場も少なく、元気があまりないように見えましたが、外観は変わらず圧巻ですね。復活を待ちましょう。

10:30。山手線内回りに乗って次の目的地に向かいます。

山手線内回りで池袋から渋谷に移動

流行の交差点、カルチャーの渋谷店

スクランブル交差点から西武渋谷店A館が覗く

11:00。100年に一度の改良工事・再開発が進む渋谷駅、ハチ公改札からスクランブルスクエアに出ると、見えてきたのが、西武渋谷店のA館です。渋谷店は、A館・B館・ロフト館・Movida館・パーキング館などから構成されていて、元セゾングループのロフトや無印良品などの大型店舗もあります。

左: B館 / 右: 路地側に面した入口
左: Movida館 / 右: A館の「西武百貨店」の文字

渋谷店は本当に多くの顔を持つ

渋谷店は、西武百貨店にとって非常に重要な戦略拠点として位置づけられてきました。セゾングループは渋谷に次々と新しい商業ビルを展開し、公園通りやスペイン坂といった名称を広め、「セゾン文化」の発信地として渋谷を成長させました。これらの動きは、渋谷を東京随一のファッション・カルチャータウンへと押し上げた要因の大きな一つと言っても過言ではありません。

西武渋谷店は、個人的には結構尖っているイメージを持っています。普段使いするものももちろんあるのでしょうが、「こんなものもあるんだよ」と、我々が知らない世界を提案するメディアのような役割も感じました。初めて渋谷店に来た時、「池袋本店と同じ看板を掲げていながら、こんなにも違うものなのか」と驚いたことを思い出します。

写真をどこから撮るかを迷ったのですが、渋谷店といえば、『アートゲート』と呼ばれるA館の入り口が有名だと思います。道路の向かいからA館全体とB館の一部が映るように撮ってみました。

さて、渋谷店を散策していたら、ちょうど12:00ごろ。お昼ご飯を食べましょう。A館地下2階のカジュアルレストラン街「セタンジュ」のフィッシュ&チップス マリンにしました。英国・国際フィッシュ・アンド・チップス協会から正式認証を受けたアジア初のお店だそうです。

フィンガーフィッシュアンドチップス with マッシュビーンズソース

一番少ないサイズにしたつもりでしたが、想像を絶するサイズを提供してもらい大満足。こういうあまり身近ではない食事を楽しめるのも、デパートのレストラン街の醍醐味ですよね。

13:00。渋谷店を存分に堪能したら、次の目的地に向け、山手線・湘南新宿ラインに乗って横浜方面に向かいます。

湘南新宿ラインで渋谷から東戸塚まで移動

余談ですが、道中の横浜には、同じそごう・西武が運営する、そごう横浜店がありました。やはり大きいですね。池袋店改装後のフルライン旗艦店の役割はそごう横浜店が担うとも言われていますね。

そごう・西武の期待の星、そごう横浜店

日常に寄り添う郊外の生活拠点、東戸塚S.C.

西武東戸塚S.C. @オーロラシティー

14:00。横浜市の西武東戸塚S.C.に到着しました。

1997年に開業した比較的新しい店舗です。オーロラモールという西武東戸塚店とダイエー東戸塚店の2店をキーテナントとした2核1モールの中に入居しています。2020年に西武東戸塚店から西武東戸塚S.C.に改称し、百貨店からショッピングセンターに業態転換していて、西武館・モール館・アネックス館をそごう・西武が運営し、ダイエー改めイオンスタイル東戸塚店が接続しています。

軽く回った感じ、「西武らしさ」を感じられず若干困惑したのですが、これは西武の直営フロアがないということが大きな要因でしょう。当初は西武館を百貨店に、モール館を専門店テナントにという構成だったと思いますが、現在は全ての売り場がテナントになっていて、名実ともにショッピングセンターなんだなという感想を得ました。西武館のテナントも「スターバックスコーヒー」など、西武ではあまりみない店舗も多かった印象でした。

写真は、東戸塚駅側から見える大きな「SEIBU」の文字が映るように撮影しました。

15:00になったら次の目的地に向かいます。

湘南新宿ライン・南武線・武蔵野線・西武池袋線を乗り継ぎ、東戸塚から所沢まで移動

湘南新宿ラインで武蔵小杉まで戻り、そこからワンマン化で話題の南武線、その次武蔵野線、最後に西武池袋線に乗り換えていきます。

左上: 南武線 / 右上: 武蔵野線府中本町店 / 左下: 武蔵野線と西武線の乗り換え駅の秋津駅 / 右下: 西武線所沢駅

再開発で生まれ変わった駅に佇む、所沢S.C.

西武所沢S.C. @ワルツ所沢

16:30。日本初の飛行場が設けられた都市として日本の航空発祥の地とも言われる埼玉県所沢に着きました。西武鉄道の本社もあり、所沢駅を中心に大規模な再開発が行われています。

2020年には東口側駅直結の商業施設「グランエミオ所沢」がII期開業し、2024年には西口側の旧西武所沢車両基地跡地に「エミテラス所沢」が開業しています。また、周辺では埼玉西武ライオンズの本拠地「ベルーナドーム」がボールパーク化されたほか、西武園ゆうえんちが昭和レトロをテーマにリニューアルされるなどし話題になりました。副都心池袋から電車で20分の所沢駅西口にあるのが西武所沢S.C.です。

この建物は、「ワルツ所沢」という名前で、開業当時は西武所沢店を核テナントとして、他の複数の専門店が入った商業施設でした。現在は西武所沢店が西武所沢S.C.とショッピングセンターに業態変更したことで、「西武の直営フロア」「西武所沢S.C.の専門店」「ワルツの専門店」が共存している形になっています。

ワルツ所沢をエミテラス側から見た姿

業態変換に伴い、百貨店の直営フロアが7割から3割程度に縮小されたものの、依然として残っており、東戸塚S.C.に比べると西武らしさを感じられる店内かなと思いました。

百貨店時代はお店の表に、垂れ幕広告が掲示されていた模様ですが、今では専門店のロゴなどが掲示されています。全体的にSEIBUのロゴの主張が少なめですね...

17:30になったら、旅の出発点の池袋に帰ります。

西武池袋線で所沢から池袋まで移動する

1日目まとめ

左上: 目白通り南側から / 右上: 東口五叉路から / 左下: シャッターが閉まったままの光の時計口 / 地下1階のクラブオンゲート横のロゴ

18:00。池袋本店に戻ってきました。個人的には夜に東口五叉路から見た西武が一番好きです。副都心池袋の街を遠くから「SEIBU」の看板が見守っています。先日、この「セゾン看板」がYodobashiに置き換えられた画像がネット上で話題になっていました。いつまでこの景色が見られるでしょうか。

今日は首都圏4店を回りました。池袋本店を出発して、時計回りに、渋谷店、東戸塚S.C.、所沢S.C.にいきました。

改めてですが、西武は店舗ごとに雰囲気が違うなと感じました。S.C.の東戸塚と所沢は当然として、池袋と渋谷もだいぶ違います。西武の出店方針は西武池袋本店の支店やレプリカを広げることではなく、出店する地域や周辺環境に合わせた「西武」を作ること。

たとえば渋谷店と池袋本店では、店内の案内サイン、エスカレータの放送、店内放送のチャイムなど異なる点が多いことに気が付きます。その店舗のテーマや実情に応じて最適なものを考えると、自然と異なるものを採用することになったのでしょうか。

改めてそのことを実感できただけでも、西武巡りをした価値がありました。