「私が好きな商業施設」と言われたら、やっぱり西武池袋本店でしょうね。
そもそも商業施設マニアではないので、色々な商業施設を知っているわけではないんですが、西武池袋本店は好きです。
なぜ好きなのか
思い出
なぜ好きなのかと言われると難しいですが、おそらく楽しかった思い出があるからでしょう。より正確にいうと、懐かしさだったり、高揚感だったりと言った思い出と紐づいている場所なんだと思います。
小さい頃に親に連れられて行った思い出がありますが、いつも行くスーパーとは違った特別感を感じていたんだと思います。なぜか親がスーツを試着しているシーンを待っているのを鮮明に覚えていますし、お会計の時にレジが近くになくてお店の人が裏までカードを持っていくのをみて「面白いな」と思った覚えがあります。大学生になってからは、屋上である「食と緑の空中庭園」のフードカートのフォーが大好きになり、定期的に行っていました。目黒にある大学から昼休みに池袋に行って食べて、食べ終わったら大学に戻るなんてこともしてました。
そんなことを言っておきながら、本館で買い物をしたことなどほとんどなく...。
実際にした買い物のほとんどは書籍館の三省堂書店だったと思います。コロナ前で4階まであった頃は、4階の理工書(特にコンピュータ関連)エリアによく言っていました。若干薄暗くて、エジプトのお面(??)みたいなのも飾ってあって上品な雰囲気が、向かいのジュンク堂書店より好きだったんですよね。
騒動の舞台
コロナ禍付近で大学受験をし、晴れて大学生になった頃にあった出来事が、そごう・西武売却です。
テレビのニュースなんかでも見ました。
もし、そのまま売却されて終わりだったらそこまで印象に残っていないでしょう。でもストライキがあって、実際に百貨店が休業しているのを目にして、「ああ、なんかすごいことが身近に起こっているんだな」と感じました。
その後、本屋でたまたま見つけた「セゾン 堤清二が見た未来, 鈴木哲也(日本経済新聞出版)」を読みました。おそらくこの本を読むまでは、西武鉄道と百貨店の西武に資本関係がないこともあまり認識していなかったと思います。当然セゾン文化というものも認識していませんでした。
この本を読んで、西武池袋本店ってすごいんだなと思った覚えがあります。なんか大事なものを今失おうとしているんじゃないか...と感じました。
実際に勉強していくと、セゾン文化というものは極めて難しい概念でした。そもそも西武池袋本店=セゾン文化という方程式は成り立っていない気がするんですが、それに気がつくのはもっと後の話です。ただ、セゾン文化(セゾンのやった文化事業という意味ではなく、セゾンの文化という意味)はどこか惹かれます。そしてそれは西武池袋本店も無関係ではないと感じることが、私が西武池袋本店に惹かれる2つ目の理由でしょう。
リニューアル
西武池袋本店はリニューアル工事中です。
2025年の6月に約1年の工事期間を経て、3階にコスメティックスフロアが開業。その後、9月7日にデパ地下(B1F)がオープンしました。
この記事を書いている2026年の3月は、B2F ~ 6Fまでのフロアが空いていて、だいぶ工事中区画が少なくなってきたなって感じですね。
コスメ & デパ地下
3階のコスメティックスフロアがオープンした日のことを鮮明に覚えています。1番のエレベータに乗って3階に行き、多くの社員さんと思われるスーツを着た人に迎えられながらフロアを何周もした気がします。
率直に感動しました。
空間全体が上品でしたね。美のテーマパークを謳っていますが、それこそディズニーリゾートのように、その場にいるだけで雰囲気が楽しいと感じる売り場になっていたと感じました。コスメティックスフロアは結構ネット上でも高評価だった気がしています。
デパ地下は良い意味でも悪い意味でも想像通りでした。
ファッション・ブランド
でも実は一番衝撃を受けたのは、11月末にオープンした2F ~ 6Fのフロアに行った時です。いわゆるインターナショナルデザイナーズ(;ブランドファッション)とウォッチ・宝飾品フロアですね。静かで落ち着いている、どこか隠れ家のような印象を受けました。
正直ちょっと属していないなとも感じました。
でも、ようやく西武池袋本店が目指している姿を理解した気がしました。リニューアルコンセプトが出た時、「メンズとレディースが同じフロアに展開される」という事実に、私たちは"INCLUSION"という文字に目を奪われてしまいましたが、本当のコンセプトは"MAISON(メゾン)"にあったんだ、と。
ヨドバシHD池袋ビルという大きな館の中にある、高級ブランドが立ち並ぶ隠れ家のようなメゾン。
改装前は西武池袋本店がフルライン構成で1つの館を管理していました。今後はヨドバシカメラと西武池袋本店で1つの館です。「日常の買い物はヨドバシや無印などで。特別な買い物は西武で。」と1人の人間のタイムライン上での役割分担を公言していますが、それは自然と消費レベルで一般人と富裕層・実力層に分かれることを意味すると思います。
今後
ラグジュアリー特化をあまり良く思わない人も多いようで、「インバウンド狙いだ」とか「庶民を切り捨てるのか」とか言われているのを見かけることもあります。
でも私は新しい西武池袋本店も好きです。
なんなら前よりも好きです。
おそらく自分にとって西武池袋本店は、まだ買い物をする場所ではないというのもあると思います。高級ブランドの立ち並ぶ通路を通って高揚感を覚え、非日常感を得ることが目的なのかもしれません。でも今は買えなくても、もしこの中に自分が好きなブランドがあったら楽しいだろうなと日々感じています。
高級ブランドの集積地はたくさんあるので、西武池袋本店のリニューアルが成功するのかは、私にはわかりません。
ただ逆にいうと池袋だからこそ成り立つ可能性が残されている気がするんですよね。池袋は街の性質上、高級ブランドが路面店を展開できるエリアは限られていて基本的にはビルインするしかありません。西武か東武、PARCOかLUMINEが4大選択肢です。
しかも、東武東上線や西武池袋線沿線にも実力派の富裕層はたくさんいます。銀座や日本橋もいいですが、それより近い池袋にラグジュアリーブランドを集積した北の要塞(フォートレス)を構築する...。
素人目には悪くないように感じています。


