当初の予定からほぼ1年遅れという異例の改装期間を経て、6月30日に西武池袋本店が営業していたエリアにヨドバシカメラがオープンする。
店舗面積は約33,000平方メートル。これは新宿本店エリアの合計20,000平方メートルはおろか、事実上の関東旗艦店となっている秋葉原の23,800平方メートルを上回り、梅田店の35,600平方メートルにも匹敵する規模である。
池袋エリアでは、ヤマダ電機が16,500平方メートル、ビックカメラ本店が9,000平方メートル、ノジマが2,000平方メートルなので、桁違いの規模であることが分かる。というより、百貨店という業態がいかに大規模な商業施設であるかが、改めて浮き彫りになったともいえる。
■ヨドバシカメラ マルチメディア池袋が池袋駅東口にオープン ※プレスリリース
さすがにこれ以上の遅延はないだろうが、6月30日オープンという日程は、地下1階で8月まで工事を行う予定とされていることと食い違う。 一部を段階的に開業するということなのだろうか。それとも、このエリアはヨドバシカメラではなく、石井スポーツやアートスポーツなど、家電量販店部分ではない売場になる可能性もあるのだろう。
それにしても、淀橋横丁のオープンと時期を合わせず、その横丁すら段階オープンというあたり、よほどフォートレスから開業を迫られたことは容易に想像がつく。なにしろ丸2年もの間、池袋の最も混雑する導線を閉鎖してしまったのである。当然、西武の百貨店部分の売り上げには甚大な影響が出ているだろうし、地下2階の生鮮食料品エリアの開業にも影響を及ぼしているだろう。
また、工事の遅延が影響したかは判然としないが、エルメスは撤退した。遅延に伴い、得意先を西武から他の百貨店に変えた人も相当数いたのではないか。
これは、そごう・西武をフォートレスに売却したセブン&アイ・ホールディングス、ヨドバシをビジネスパートナーに選んだフォートレス、そして大規模改修を甘く見ていたヨドバシホールディングスのすべてに責任がある。むろん、法的責任を問えるものではないだろうが。
ヨドバシの出店については、多くの人が誤認しているように思うが、これはあくまでもそごう・西武の再生スキームの一環に過ぎない。つまり、ヨドバシ自身が儲けることではなく、ヨドバシの開業がシナジーとなり、西武池袋本店の売り上げが売却前以上にならなければ、失敗といっていい案件なのである。
この点について、個人的には相当懐疑的であり、下手をすると何年にもわたって赤字から脱却できないのではないかとすら思っている。
いずれにせよ、そごう・西武の土地はヨドバシに売却され、開業に至ることとなった。そうなったからには、せいぜい池袋を盛り上げていただくしかない。
もっとも、単にビックカメラやヤマダ電機と客を食い合うだけになるような気がしてならないのだが。